小学校の保健室の先生をしていた経験から
子どもが言うことをきかないと悩んでいるときに
頭に入れておくとよいことがあります。
「こうさせよう」
と思えば思うほど、子どもは思ったように動きません。
そもそも、子どもは親が思ったように
大人が思ったようには、動かないもの。
と思っていた方がよいと思います。
私にはこのような経験があります。
保健室によく来るSくん
なんとなく、さぼりだな~。と思いつつ。
熱もない、でも具合が悪い。
教室には戻らない。
ということが続きました。
1時間休んで、教室に帰る。
そんなことを3回ほど繰り返して
4度目。
「教室に返そうとするのをやめてみよう」
と思いました。
「今日は、Sくんの話をちゃんと聞こう」
そう思って、話を聴き始めました。
その頃、カウンセリングもしっかりとは学んでいなくて
「うんうん」
「そうだったんだね」
そんな、聴き方でした。
カウンセリングはまだまだ未熟。
でも、気持ちはしっかりと受け止めて
聞き出すのではなく、Sくんが話したいことに
耳を傾けることに意識を向けました。
すると・・・
特に悩み事を話したわけでもないのに、
教室に戻るようにすすめたわけでもないのに
なぜか話している途中で
「教室に戻る」
と戻っていきました。
その時私には、何が起きたのかわかりませんでした。
その後も、
「よし、話を聴くぞ」
と聞いていると、
また
「教室に帰る」
と帰る子どもが続出。
その後カウンセリングを学んで
「何かが満たされた」
「自分がするべきことが自分で分かった」
「やる気になった」
などの理由で、教室に帰っていったのではないか。
と思うようになりました。
話をちゃんと聞いてもらう。
ということは、自分で決めることができたり
自己肯定感をあげることなのだと
そんな体験を通して、実感したのでした。